これは妻の入院前に起こった出来事です。予定日をすぎても陣痛の気配がないまま三日経った日の夜中。少し調子がおかしいというのです。初産の妻でしたので、何もかもが初めての出来事。二人して不安が募ります。
時計を見てみると夜中の3時すぎ。(あまりにも夜中すぎますよね。)「何かあればいつでも電話してくださいね。」と看護師さんに言われていてもさすがにこんな時間にかけて良いものかと戸惑う妻。(ここは私が男を見せねば!)と意気込んでクリニックに連絡しました。
するといともあっさり、「すぐに来てください。」とのこと。後の話ですが、クリニックって当然24時間体制。夜勤の看護師さんもおられるんですよね。(生まれてくる赤ちゃんに大人の都合は通用しません。)看護師さんからは、「そのまま入院するかもしれないので、準備はしてきてください。」との ことでしたので、前から準備していた荷物を持って行こうと思いきや、 ふと、 あっ、時間がかかるなら歯磨きしなくちゃ!と思ってしまったんですね。(だって夜中なんですもの。起きたら歯磨きって思いますよね。) 妻の様子を見ると、少ししんどそう。そうなんです。私、やってしまったんです。
お腹を痛がる妻がチラッチラッと私を見ている。 私は、歯磨きをして入院の準備を進めている。ほんの3分の時間でしたがこれがこの後、とんでもなく足を引っ張る事件となるのです。幸い、外に出るとタクシーもすぐに見つかり、 クリニックに着いたのが3:30頃でした。助産師さんが待機しており、早速診察を受けるとあれまっ! 産道が開いているらしい。 男の私にはどういう訳かさっぱり分かりません。ここでまたもやらかしてしまいました。
両親に連絡をしたのですが、 “初産は時間がかかる“という思い込みで、きっと生まれるのはまだまだ先の話だろうと 思っていたのです。なのに、、、 クリニックに到着してから15分で陣痛の感覚が短くなり、 あれよあれよというまに助産師さんが 「先生を呼んでください!」と看護師さんにスクランブル。
えっ。もう生まれるの?
手を握って、腰をさすってとかの夫としての支援は?とか考えていたのも束の間、分娩室に運ばれる妻。クリニックに到着して27分後には第一子を授かっていました。時刻3:57分 第一子誕生。フラフラの妻が私に言った初めの言葉。
「よくも、歯磨きしてたなぁ〜」
10年経った今も、長男の誕生日には決まって言われます。これから父親になる旦那様へ。入院前の歯磨きはやめておいたほうが良いですよ。