1人目の子供を逆子で帝王切開で出産したため、2人目が出来た時にもたぶん帝王切開になるんだろうと思っていました。
そのため、出産のための教室などが開催されていても帝王切開になる自分には関係ないと思い出席していませんでした。
予定日が近づいて来て、出産の兆しがないので予想通り医師からは、「帝王切開になるかも」と言われました。
そうなるだろうと思っていたので、すっかり帝王切開での出産になると思っていました。
しかし予定日が近づいた、ある日お腹が痛くなりました。
最初は、お腹を壊したのかと思っていましたが波がある痛みが襲って来て「もしかして、これが陣痛?」と思い病院に電話をしました。
痛みの間隔を伝えると、「すぐに病院に来て下さい」と言われたので上の子供を実家に預けて主人に病院に連れて行ってもらいました。
病院に着くと医師からは、「陣痛が弱いから今日生まれることはないけど、取り合えず入院して様子をみよう」と言われました。
主人は今日生まれないのならと自宅に、帰りました。
私は、病室で一人不安になりながらお腹の痛みに耐えていました。
医師が「今日は生まれない」と言ったので、看護師さんもほとんど着てくれず不安が増して行きました。
お腹の痛みは、強くなって来て不安になり主人に電話して傍にいてもらうことにしました。
主人も医師の言葉を信じており、陣痛が治まると思っていました。
傍にいた主人は、いつの間にか眠っていました。
ベテランの看護師さんが、1回だけやって来て「もし、便が出そうな感じがしたら教えてね」と言って病室から去って行きました。
私は、その「便が出そうになったら」という意味が分かっておらず軽く聞き流してしまいました。
しばらく酷い陣痛が続き、こんなに痛いのに生まれないのかと思っていました。
そんな時に便が出そうな感じがして、何も考えず主人を起こして「トイレに行って来る」と言ってトイレに向かいました。
トイレで便座に座って力んだ瞬間に赤ちゃんが見えて、自分でも無意識で赤ちゃんを掴み「赤ちゃんが生まれた」と叫びました。
それから、主人や看護師さんがやって来て、ヘソの緒の繋がった赤ちゃんを持ったまま分娩室に向かいました。
子供が生まれる時に、「便が出る感じがする」というのはその後に聞かされましたが今思えばよく赤ちゃんを瞬間的に掴んだなと不思議な気持ちになります。