友達が階段で破水してしまった!その時私が赤ちゃんを取り上げる!

コンビニや自動販売機もなく、スーパーには車で片道1時間以上かかるド田舎に住む友達。妊娠10ヶ月目の時、いつ破水するかわからない状態のため、家で安静にしているよう医師から注意されていました。

ところが、本人は「大丈夫」と言って、スーパーに買い出しに行こうとするのです。「ね、危ないって!私が行ってあげるから家にいて」と言う手を振り解き、さっさと外に出かけようとします。 と、その時です。「ああ、い、痛い!!痛い」と大きなお腹を抱えながら倒れるではないですか。

友達の旦那が休日だったためにみんなで友達を早く病院へと連れて行こうと思い、友達を左から右から抱えました。「慌てないで、ゆっくりと歩こう」と、旦那とまるで二人三脚をするかのように歩きます。 2階から1階へと下りるために階段をそろりそろりと下りていたら、あと三段を残すのみの所で尻餅をついてしまったのです。

その拍子に友達も後ろへと尻餅をついてしまった拍子に「ああ!!もう出ちゃう!!」と大きな声で叫んだと同時に破水。「どうしよう!」と慌てた私は無我夢中でスマホから病院に電話をしました。 しかし、慌てているため、病院ではなく、なぜかいつも利用している美容院に電話をかけてしまいました。「すみません、間違えました」と素早く切り、こんどは病院へと電話します。が、救急車が出払っているし、病院からかなり離れた場所にある家に到着するのは1時間以上もかかると言います。

「どうしよう…もうすぐに産まれそうなのに」顔が引きつる私。「では、電話で指示をしますから、その通りにやっていただけますか?」という医師の指示のもと、家で出産させることになってしまいました。初めてそんな大役を担う私はもうパニックと恐怖で汗がダラダラ。 しかし、ここで逃げ出してはいない。リビングの部屋にマットを敷き、お湯の入った桶や濡らしたタオルなどを友達の旦那に用意させ、私は意を決して股の間から赤ちゃんを取り出すために構えました。

格闘すること2時間、やっと赤ちゃんが出てきます。みんな涙を流し、喜びました。なかでも旦那は鼻水まで流す始末。もう忘れられない出産となりました。 その後、私は赤ちゃんを取り出した救いの女神として友達の家族から崇められ、愛されました。そして、妊娠した友達の家に行っては武勇伝を披露しつつ、出産時にはこんなふうにするといいと知識も披露することが増えました。何事も経験だなと感じた体験でした。